内容説明
占星術はどのようにして生まれ、社会に存在し、連綿と続いてきたのか。哲学的、社会的、歴史的に検証する決定版。
目次
起源と背景
ラテン語圏―西ローマ帝国~凋落と消滅
カロリング世界―生き残りと復活
12世紀―ルネサンスと復興
13世紀―アリストテレス革命
13世紀―実践と問題
中世後期―占星術の活用
ルネサンス―異教の復活
ルネサンス―急進主義と変革
16世紀―改革派と魔術師〔ほか〕
著者等紹介
キャンピオン,ニコラス[キャンピオン,ニコラス][Campion,Nicholas]
1953年生まれ。ケンブリッジ大学クイーンズ・カレッジ、ロンドン大学で歴史学を専攻。現在、ランピューター大学、ケプラー・カレッジなどで講師を務める
鏡リュウジ[カガミリュウジ]
1968年、京都生まれ。心理占星術研究家、翻訳家。国際基督教大学卒業、同大学院修士課程修了(比較文化)。平安女学院大学客員教授。京都文教大学客員教授。雑誌、テレビ、ウェブなど幅広いメディアで活躍。現在、英国占星術協会会員。英国職業占星術協会会員。日本トランスパーソナル学会理事
宇佐和通[ウサワツウ]
1962年、東京生まれ。翻訳家。東京国際大学卒業。南オレゴン州立大学経営学コース修了
水野友美子[ミズノユミコ]
1983年、富山生まれ。翻訳家。国際基督教大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
多分、器用です
5
約10日掛けて読んだのだけど、本当に幸福な10日間だった。占星術というものが天空の事象から世界を読み解くという行為が、今の経済学、社会学、統計学などどうつながっているのかが分かった。データをとって予測をするという行為自体が占星術的は発想で、これは近代思想でも科学でもなんでもない。そんで個人的にはスウェーデンボルグの立ち位置が明確になったのも発見の一つだった。単なるオカルト的人だと思っていたのだけど、当時において彼は一流の科学者で啓蒙主義者だった。彼が占星術において様々な可能性を残したと思う。著者もそうだけ2012/09/27
バケツ
3
素晴らしい。占星術はその印象からは考えられないほど歴史深い巨大分野なのだが、力説するよりこの本を渡した方が早い。キリスト教との議論は現代でも語られる自由意志問題に繋がり、近代科学との関係も「愚昧な宗教家と悲劇の科学者」のような安易な理解にならないよう書かれている。学問としての占星術と占いとしての占星術を分けているのも一枚岩でなさが伝わる。熱心な占星術師達による追究が近代天文学に繋がったのも、言われてみれば大抵学問は熱心な学徒が旧説を退けることで更に発展するのだろうし当然だが、案外見えておらず目から鱗。2023/10/27
kozawa
1
今天文学に繋がる系譜も何百年遡れば占星術と切り離せないしまぁとかなんとか。まぁでも本書はオカルト系が好きな方からの切り口で翻訳出版されたんだよねーって感じはするけど、そういうものだと思って読む限りは面白く読みました2012/10/20
Risa Shimowada
0
500ページを超える分厚い本で読み切るの辛かったー。西洋史が頭に入っていないから理解度もイマイチだし。 占星術は歴史が長いから統計なのかなと思っていたけど、そうではないということが分かった。 占星術の扱いや占星術の内容自体も時代時代で変わっていたり、キリスト教に迫害されてたり。それでもずっと続いているのはなにかしらの信頼性はあるよね。これを読んで占星術が信じられるものなのか、そうで無いのか、ますます分からなくなったけど。。2017/12/01